熱気を帯びる定額給付金商戦 もっとも売れたのは何か

定額給付金商戦が熱気を帯びてきた。高島屋、近鉄などのデパートでは、定額給付金の支給額に合わせて、1万2000円の福袋や婦人服、高級食材などを販売。デジタル家電、PCを販売する量販店でも、1万2000円で1万3200円分の買い物ができる10%プレミアム付クーポン券や、1万2000円で買えるパソコンを販売している。

 ほかにも外食産業など、さまざまな分野で定額給付金セールが催されている。デパートなどでは、すでにキャンペーンが終了したところも少なくないが、実際どれだけ給付金は使われたのだろうか。

「1万2000円の羽毛布団が好評でした」(高島屋)といった声はあったが、「普段のセールと大差ない。お客様が飛びつくという感じではなかった」(ジェイアール名古屋タカシマヤほか)といったところも少なくない。取材に対して、「(セールの結果が芳しくなかったので)触れてほしくない」という百貨店もあった。近鉄百貨店では、同時期開催した靴の下取りセールのほうが、定額給付金キャンペーンよりも人気が高かったという。これはちなみに、婦人靴一足につき「婦人靴値引きクーポン券」1000円分を進呈するというもの。

 百貨店以外では、サッカーJリーグの大宮アルディージャが1万2000円のプレミアムシートを発売。第1弾は、4月25日(土)アルビレックス新潟戦で、当日入場券に加えて、食事とウェルカムシャンパンなどが付く豪華版だった。しかし限定40席発売に対して、売れたのはわずか12席で、成功とは言い難かった。

 では、定額給付金キャンペーンが全て不発かというと、そうでもない。埼玉県熊谷市が地元消費を盛り上げるために売り出した10%のプレミアム付き商品券は、爆発的な売れ行きを見せ、発売日の5月15日は長い列ができた。市内7カ所の発売所のうち早いところでは昼過ぎに完売、遅いところでも約5時間で売り切れた。

 デパートでは名鉄百貨店が好調。5月9日から買い物券と電車・バス地下鉄が利用できる交通券のセットを1万2000円で発売。こちらは合計1200円おトクということもあり、5月22日時点で「ほぼ完売、残りわずか。売り切れ次第終了になります」(名鉄百貨店)という状態だ。第2弾として、5月20日から31日まで食事券が当たる抽選会等を開催している。

 総合スーパーのイオンのキャンペーンも好評を博した。イオンは4月1日から10日までの期間、イオン電子マネー「WAON」に累計1万2000円以上をチャージすると、1200WAONポイント(1200円相当)をプレゼントするキャンペーンを実施した。結果、「前月の同時期と比べて、チャージ金額が60%以上多かった」(イオン)という。

 また、第1弾は空振りだった前出の大宮アルディージャは、5月24日の第2弾では23席と前回の倍近くが売れている。もっとも、対戦相手が人気チームの浦和レッズというのが大きな要因のようだが、球団は売れ行き上々に満足の様子だ。

 結果として、今回の定額給付金商戦でもっとも人気だったのは、プレミアム付き商品券のようだ。消費者が給付金に求めたのは、「普段買えない高級品」の購入よりも、生活費の補填ということになるのだろうか。

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